洗濯機を机にベランダから

机じゃなくてベランダの洗濯機にパソコンを置いて書いてます。どいせ洗濯機の上で作られた記事だって、さらっと読んでもらえると◎

コミュ障のこころみ

 

入った先は

期待を込めた顔で、おじさん達が怪しく光る店の中に消えていく。

入った先はキャバクラ。お酒と女の子との会話を楽しむ場だ。指名の子会いたさに、とか、まだ飲み足りなくて、とか、接待だけど女の子もいるカジュアルな場にしたくて、とか、色々な目的が、今日もおじさん達を店に連れてくる。勝手な理由でやってきて、好きなことを言い、好きなときに帰っていく。そんなお客さんの「気まぐれ」がここには混在しているようだ。 

 

 

キャバ嬢の過酷さ

そんなおじさん達の「気まぐれ」に対応するのがキャバ嬢だ。
キャバ嬢と聞くと、「金髪顔面整形で、爪が凶器の尻軽ギャルが、お気楽に大金を稼いでる」とイメージして、軽蔑するかもしれない。 


だれど、実際のキャバ嬢という仕事は、そんなに優しくない、というか過酷だ。
いろんなタイプのお客さんに対応するたびにキャラ迷走する子も、指名を勝ち取るためにプライベートを切り売りする子もいる。


綺麗なドレスを着て笑顔で振舞っているが、頭の中は、
「このお客さん、あとどのくらい財布に余裕あるんだろう」
「今話してる話題で、私も面白いエピソードあたっけ」
「このお客さんには、どういう対応すれば喜ぶんだろう」
と、めまぐるしい。


売り上げのために、浴びるようにお酒を飲んで吐いて、朝目覚めると、まだ店の中だった、なんてこともある。
キャバクラは、売り上げ次第で、給料も待遇も変わる超実力社会で、卓上は戦場だ。
キャバ嬢は、女とコミュニケーションを武器に、お客さんを楽しませるエンターテイナーだと思う。

 
 

  一方私は

一方私は、もともと根暗で、コミュ障だ。
小さい頃から、人目に触れるのが嫌いで、あまり外では遊ばず、家でピアノを弾きまくっていた。
息をするように人と仲良くなれちゃうキャバ嬢とは、住んでいる星が違う。
地球人は地球に、火星人は火星にそれぞれ住んでいるように、違う星の者どおし、住み分けるのが平和の鉄則だ。
そう思って、自分の星にマーキングしまくり、安住していた。

 

小5から、「ゆかちゃんちょっと変」「天然」「変人」と言われるようになり、高1から、それに「変態」が加わった。
よく分からないけど、私はちょっとだけ変わっていて、みんなからちょっと浮いているようだ。
高校生の頃、いつも考えていたことは「普通ってなに?誰か、普通と呼ばれる類の言動を教えてくれ!」だった。
だから、家でテレビをつければ、「普通に」振る舞うための講座だと思って、真剣に観る。
「普通」に馴染むために、地球という星の、人間という生命体の振る舞い方を習得する必要があったのだ。

 

就職活動を経て内定をもらったときなんかも、「君は人間社会で生きていても害のない人材です」「welcom to 社会の歯車」と、やっと人間として合格の印鑑を押されたみたいで嬉しかった。

 

だけど、未だに、私は23歳人間メスの皮を被った、人間とは違う別の生命体なんじゃないかと思って、疎外感を感じるときもたま〜にある。

 

あまり言うと、ひかれるで、このぐらいにしておいて。

 

それぐらいに私はコミュ障だから、「TPOに合わせて、一般的な対応をとる」ことにものすごく苦手意識がある。

だから、自然にコミュニケーションが取れない分、人と対峙するときには
「この人は、どんなキャラクターで、今は何をしてほしいんだろう」
「この場ではどのように振る舞うのが正解なんだろう」
と常に集中して考えていないと、見当違いなことを言ってないか、仲間はずれにされてしまわないか、いつも不安になるのだ。  

 

 

そんな私がキャバ嬢デビュー(笑)

キャバクラでのバイトは、生活費のためもある。
でも、とにかく対人関係に自信がないから、どうにかしたくて、思い切ってやってみることにした。
おそらく、数時間で、こんなにも年齢も業種も価値観もバラバラな人に会って話さないといけないバイトはないだろう。
私のツラ構え、中の上ぐらい。
体重52㎏、身長162㎝。
ルックスは、まぁ、特に問題はないだろ。

 

 六本木や銀座、歌舞伎町といったゴリゴリでギラギラのエリアは怖すぎるので避けて、おじさん達がちょっとした気分転換で羽休めにやってくる、上野というエリアで働くことにした。 朝7時。今日も口がお酒臭い。スーツを着たサラリーマン達が、早足で駅に向かうのを横目に、私はやっと帰宅する。

 
 

記録を書き留めよう 

コミュニケーションについて、キャバクラで学んだことを忘れないために、血と肉にするために、キャバクラでのアレコレを、これから書き留めていくつもりなので、暇があれば斜め読みしてください。

 

レッツ、脱コミュ障。